我が家では小型犬を飼っている。
昔から、ペットを飼うならば、ペットショップからではなく、保健所から引き取って飼おうと思っていたが、以前、(ペットを飼うつもりは全くなかったが子供が飼いたいと言い始めたため)里親募集サイトの広告があり、クリックしてしまった時があった。
そして、そこで、ガリガリにやせ細り、元気がない様子のチワワが掲載されており、引き取り手もいないことを目の当たりにした。
正直ガリガリで手足も毛が抜け落ちてまっ赤。
このまま引き取り手がいなければ、おそらく保健所に行くのは確実であったため、一時的に保護をしている里親さんに会いに行き、「トライアルされませんか?」ということでもあったため、子供たちの声にも押され、半ば衝動的にトライアルを申し込んだ。
保護犬のトライアルスタート
トライアルといっても、ケージやえさなど、すべて自分たちで用意をしなければならない。
また、我が家には、年少の小さい子供もいるため、うんちをあちらこちらにまき散らされては衛生上よくない。
このため、まずは、ホームセンターでペットケージ、トイレシーツ、ドッグフードを購入して、チワワを迎え入れた。
迎え入れたチワワは、ガリガリにやせており、緊張と見知らぬ環境への恐怖でブルブル震えていた。
小学1年の長男は、「チワワはキャンキャン鳴いて人懐っこいと思ってたら違うんだね。」と、自分がイメージしていたチワワと全く違うチワワに触れていた様子だった。
年少の次男は、「うおーーーっ!!」といって、チワワに突進したが、このチワワはかみつくことはもちろん、唸ることもせず、私が昔飼っていた小型犬からは想像できないおとなしい性格をしていた。
妻は、トライアルをすること自体にあまり好意的ではなかったが、これだけガリガリで、おとなしいチワワを不憫に思えたようで、時間が経つにつれて、だんだんと「この子、行き先がないのよね。可哀想だよ。飼ってあげたいな。」と口に出すようになってきていた。
一方の自分は、あくまでトライアルのつもりだった。
先ほど、次男が「うぉーーーーーっ!!」と突進していったように、小さな子供とチワワを共存させることは、チワワにとってストレスであることは間違いない。
里親募集サイトでも、「小さいお子さんがいるご家庭はお断り」とされており、その理由はよくわかる。
また、我が家は共働きであり、日中は10時間以上、家を留守にすることもある。(最近はコロナによる在宅勤務が増えてこのようなことは滅多になくなったが…)
ただ、長時間の留守は、チワワにとって、かわいそうである。
また、犬は猫と違い、必ず狂犬病接種なども必要となり、飼育費用が割高になる点もネックである。
これらを総合的に考慮し、私はトライアルが終わるころまで、飼うことに反対していた。
しかし、家族の熱意に押されて、ついにチワワを飼い始めることとなった。
そして、こんな可哀想な境遇の犬がいることを知ってもらいたくて、YouTubeに上げてみることにしたら、思いのほか反響が大きかった。
ペット(犬や猫)を飼うことで子供に良い影響があると感じる具体的な点
チワワを飼い始めて、子供の教育面でもよい影響が出ていると感じる。
今まで、私は「教育」というと、学力的な教育の面を強く意識していたが、特に、学力以外の力、つまり感受性や観察力、生き物への関心などに好影響があると感じる。これらの力については、机上学習では、まず伸ばすことはできない。
しかし、ペットを飼うことによって、これらは容易に伸ばせると感じる。
1 特に犬を飼う場合は感受性が豊かになる
1週間トライアルが終了間近のころ、内心では引き取ることを決めていたが、「じゃあ、明日パパはこの子を返してくるから」と子供に試しに告げると、子供たちは泣き出してしまった。
まだ7年しか生きていない子供にとっては、自分になついてくれる存在というものは、すごく印象に残る強烈な存在のようだ。
こんなになついて、帰ってきたらしっぽを振って歓迎してくれる。
そんな存在は、いつの間にか、かけがえのない存在になっていたようだ。
また、犬は、夜になるときゅーん、きゅーんと鳴くことも多い。さみしい時は頻繁に膝の上に乗ってくる。
「今悲しい気持ちなんだろうね」などと、子供たちなりに推察したりする。
話は反れたが、日々の生活の中で、泣いたり、喜んだり、笑ったりする回数は、ペットを飼っていないよりも多分にある。
犬を飼う前は、子供は学校から帰ると、バタバタで宿題をし、夕食を食べたら少し勉強をし、親が絵本を読んで寝るという毎日のパターンが決まっていた。
しかし、ちょっとしたすき間に、犬の奇妙な行動などにより、笑いや喜びが生まれる。
多感な時期の子供を、より一層感受性を豊かにしてくれていると実感する日々である。
2 観察力が鋭くなる
犬の便が緩いと、「あっ、今日はうんちが柔らかい。昨日何か悪いもの食べたかな?」とか、
「もしかして、今日はすこし寒かったからかな」とか、色々と彼なりの回答を出してくる。
大人でも考え付かないような観察をすることも多々あり、子供の観察力は面白い。
しっぽを振る速さ、その角度、耳を立てる角度、子供はいろいろと観察をする。
3 生き物に関心を持つようになる
犬を飼うようになって、犬や猫の不思議辞典に、一層興味を持つようになった。
犬、猫の体の仕組み。細胞。嗅覚。歯並び。
親である私が知らないことまで、どこかで仕入れてきて、生き字引のように教えてくれる。
生き物全般への関心が強まったようだ。これは、遠い目で見れば、将来の理科の成績にも良い影響を与えると思う。
4 責任感が強まる
今のところだが、犬がうんちをしたときは、長男は勝手に拾ってトイレに流してくれる。
また、夕方のえさも、必ず自分でしてくれる。
自分よりも小さい生き物を飼うことで、自分が世話をしてやらなければならない、という気持ちが小さいながらも芽生えているようだ。
ペット(犬や猫)を飼い始める時期の雑感
ペットを飼うならば、できれば小学校3年生頃までに飼うことが理想、という教育専門家のコメントがあった。
それぞれの家庭に事情があり、また、ペットの性格もあり、一概にはそうは言えないとは思う。
ただ、子供の感受性は、年齢が上がるにつれて下がってくるので、飼い始めるのであれば、小学校の低学年が最適ではないかと思う。
この点、この専門家の「小学校3年生頃までが理想」というのは、的を射ている気はする。
一方、飼い始める年齢は、年中の後半以降が良い気がしている。
幼稚園の年中の後半になれば、子供たちは結構自立してくるものである。
我が家の年少の子供は、チワワに突進したら、チワワがおびえるため周囲から怒られるし、一方で、チワワにも多大なストレスがかかる。
ただ、チワワも最近は年少の息子に慣れてきたのか、彼が近づくと「うーーーーっ」と唸るようになってきた。
これについては、正直困っているところ。
あまり小さい子供がいれば、飼い主が気をつけねば、犬の性格がやや狂暴になりかねない。
教育を考えたら猫より犬がおすすめ
どこかの国のことわざか何かで「子供が生まれたら犬を飼いなさい」というものがあるようだ。
引用「子供が生まれたら犬を飼いなさい。子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしよう。子供が幼少期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。そして子供が青年になった時、自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。」
犬を飼うことで、貴重な経験をすることができる。
一方、猫の場合は、犬のように飼主に感情を持ってしっぽふりふりで近付いたり、飼主の感情を察知し理解しようとすることはない。
猫は遊んで欲しい時などスリスリはしてくるが、犬ほどストレートで分かりやすくもないし、子供たちが芸を教えてもまず覚えることはない。
私は犬も猫も大好きだが、子供の教育的側面を考える場合、犬の方をおすすめする。
もちろん大切なのは、自分が可愛いと思うペットを、最後まで責任をもって育て上げることである。
私はYouTubeで保護犬の状況を知ってもらいたくて投稿したが、ペットショップで飼う人のことを否定するものでは全くないし、大切なのは、自分が一度飼うと決めた対象を、最後まで責任をもって育て上げることであると信じている。
本日も、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。